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紀元後822年
景戒が『日本霊異記』を編さんする

平安時代初期に成立した日本最古の仏教説話集『日本霊異記』には、仏教思想に基づく因果応報の物語が数多く掲載されています。

磁石については、序文のところで「世間の人々の行動を観察していると、学才や才能を持ちながら卑しい行為をしている者がいる。利益を得ようと願って財物を貪ることは、磁石が鉄の山から鉄を余すことなく吸取ることよりも甚だしい。」と記述されています。

ところが不思議なことに、当時、日本で磁石が産出されたという記録はあまり見当りません。江戸時代の百科図鑑『和漢三才図会』にも「磁石が産出されたことを聞かない。」と書かれています。

それでも、古くより磁石が物の例えに使われていたということは、磁石の鉄を引寄せる現象が知識として広く知れ渡っていたことを示しています。