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2-1希土類磁石はどうして強力なの?

これは希土類元素の持つ強力な磁気異方性の性質を活かしているからです。

磁石研究に携わる者が最も心血を注ぎ込むのは保磁力をいかにして高くするかということ
です。希土類磁石は磁石を構成する希土類と3d遷移元素の化合物が一軸結晶磁気異方性と
いう性質を有することが保磁力の高さに起因します。

これは原子の磁気モーメントが結晶中の特定方向に強く束縛される為、これ以外の向きに
結晶が磁化しにくくなる性質をいいます。一方向に固定された磁気モーメントの向きを
反転させるには非常に強い磁界が必要になります。つまり保磁力が高いということです。

希土類磁石は主に下記の2種類です。

ネオジム磁石
現有磁石の中で最も高い磁気エネルギーを有しています。
主にネオジム・鉄・ボロン・ジスプロシウムから構成されています。これらは下記の役割を
担っています。

ネオジム(Nd):磁化しやすい方向に鉄原子の向きを揃え維持する。(磁気異方性)
鉄(Fe):透磁率が高く磁化しやすい為、磁気エネルギーの高さに影響する。
ボロン(B):鉄原子と結合することにより磁気エネルギーを高くする。
ジスプロシウム(Dy): 反磁界や熱による減磁を防ぎ保磁力を向上させる。その反面磁気
エネルギーを低下させる。

サマコバ磁石
ネオジム磁石に次ぐ高い磁気エネルギーを有しています。また、温度特性にも優れています。
主にサマリウムとコバルトで構成されています。強磁性体のコバルトにサマリウムが結合
すると、高い磁気エネルギーと磁気異方性が出現し高い保磁力も得られます。
当初はサマリウム1に対してコバルト5の割合で製作される1-5系が主流でした。コバルトの
一部を高保磁力化用の銅や磁気エネルギー向上用の鉄等に置換する改良が行われ、より高特性
のサマリウム2に対してコバルト17の割合で製造される2-17系が主流になり現在に至っています。